牛乳・豆乳・その次へ。アサヒ「LIKE MILK」が目指す、誰もが同じ食卓を囲める未来
第4章|技術はアサヒグループの中にあった
ーー最初から酵母を使う構想だったのでしょうか。
全然そうではなかったんです。最初は28品目のアレルゲン物質を使わずに、卵やミルク、小麦やナッツを代替できるものを作ろうと考えていて、ひよこ豆のタンパクを使ったり、AIで目指す味わいを再現する技術を持つ海外企業と商談を進めたりしていました。
そうやっている時にたまたま、グループ横断のワークショップで一緒だったメンバーから「アサヒクオリティーアンドイノベーションズ(AQI)で、酵母を使ってミルクっぽいものを研究開発している人がいるよ」と聞いたんです。「本当ですか!」と(笑)。こんな身近にそんなものがあったのかと驚きました。
しかも28品目のアレルゲン物質は不使用で、酵母はビールをはじめグループが長年扱ってきた得意分野の素材でもある。これはもうアサヒならではの技術だなと感じました。
ーーすぐに技術を使わせてもらえたのでしょうか。
最初から「どうぞ」という感じではなかったです。グループの大事な研究資産ですからね。海外含めてグループ会社全体でこの研究成果をどう活用していくのか、という検討に時間がかかったようです。
でも、僕たちがどういう課題に向き合おうとしているのか、この技術がなぜ必要なのかを、お伝えし続けました。そうした議論を重ねる中で、AQIの方々とも事業としての可能性について議論が深まり、技術面でも一緒に検討を進めることになったんです。
ただ、研究テーマをそのまま商品にできるわけではありません。AQIで開発していたのはあくまで研究段階の素材で、量産化しようとするとまた別の技術や設備が必要になる。そこで和光堂の粉ミルクなどで味づくりや製品化のノウハウを持つアサヒグループ食品に協力をお願いしたところ、快諾していただいて。
こうしてアサヒグループジャパン、AQI、アサヒグループ食品の3社がタッグを組んで、酵母技術の研究開発、味の設計と製品化、事業の企画推進というそれぞれの専門性を持ち寄る体制ができました。
