牛乳・豆乳・その次へ。アサヒ「LIKE MILK」が目指す、誰もが同じ食卓を囲める未来
第3章|「食物アレルギーの人だけの商品」にしない

ーー当事者の方への取材では、どのようなことが見えてきましたか。
食物アレルギーをお持ちの方にいろいろヒアリングしていく中で、買える場所の問題が大きいことがわかってきました。
食物アレルギー対応の商品って、専門店か一部のスーパーにあるコーナーぐらいにしか売っていないんです。しかも高い。週末に車で何時間もかけて専門店まで行って、買いだめして、平日にそれを使う。またなくなったら買い出しに行って……という生活を送っている方が結構いらっしゃったんです。
それを聞いて、どこのスーパーでも買えるものにしないと、本当の意味での問題解決にはならないなと思いました。
ーー食物アレルギーの方のみに対象を絞ると、市場は小さくなります。そこについてはどう考えたのですか。
食物アレルギーをお持ちの方に届けたいという気持ちは変わりません。ただ、どこのスーパーにも並んでいる状態を作るには、小売店さんにとっても扱うメリットがないと成り立たない。たくさんのお客様に買っていただける商品でなければ、棚には置いてもらえないんです。
そこで、ターゲットを広げることにしました。カルシウムを意識されているアクティブシニアの方、食物繊維や亜鉛など美容・健康に関心の高い方、動物性食品を避けるヴィーガンの方。それぞれの方が、これは自分のためのミルクだと感じてくださる商品にしたいと考えました。
実際に僕も売り場に立って推奨販売をやっているんですが、ご高齢の方が「カルシウムすごい入ってて、コレステロールゼロなの?うちの旦那にいいわ」と買ってくださったり、食物繊維の量を見たお客様がお連れの方に「あなた便秘じゃない?」なんて話になって、じゃあちょっと買ってみようかしら、となったり(笑)。さまざまな属性の方にご好評いただいてるな、という手応えがあります。
ーー現在はフードダイバーシティ事業として広がっていると伺いました。
「体質も嗜好も思想も関係なく、誰もが自由に食を楽しめる世界を作りたい。」それが僕たちの掲げるビジョンです。LIKE MILKはその第一弾の商品で、今後は酵母の力を活かしたいろいろな食品を開発していきたいと考えています。
