「お金を借りる」を、日常のサービスの中へ。アコム発GeNiE、構想から事業化までの舞台裏

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普段使っているサービスの中で、必要なお金を借りられる。そんな金融の届け方を広げようとしているのが、アコムから生まれたGeNiE株式会社です。

同社が提供するマネーのランプは、事業会社のサービスに融資機能を組み込み、新たな金融サービスの立ち上げを支援します。取材時点で提携先は32社に広がり、年間売上は十数億円規模に成長しています。

その出発点となった構想が社内で提案されたのは2017年。会社設立までに5年を要し、サービスを支えるシステムの開発にも約2年半を費やしました。

新規事業Talksでは、日本新規事業大賞のメディアスポンサーとして、同社の挑戦を取材しました。大企業の人材やノウハウを生かしながら、新しい事業に必要なスピードと自由度をどう確保したのか。社内の信用を積み上げた日々から、別会社化の判断、最初の提携先獲得、そして今後の展望まで。代表取締役社長の齊藤雄一郎氏に、構想から事業化までの舞台裏を伺いました。


【プロフィール】

GeNiE株式会社 代表取締役社長 齊藤 雄一郎 氏のプロフィール写真

GeNiE株式会社
代表取締役社長
齊藤 雄一郎

2005年、アコム株式会社に新卒入社。支店勤務を経て、2010年に経営企画部へ異動し、戦略立案やマーケティング業務に従事。2016年からイノベーション企画室でデジタル領域のサービス企画や新規事業開発に取り組み、2019年にはマーケティング部門の責任者を務める。2022年、アコムの社内起業家としてGeNiE株式会社を設立。組み込み型の金融サービスを通じて、新たな信用のカタチの実現に取り組んでいる。


第1章 | お金を借りる体験を変える。マネーのランプが生まれた課題意識

──まず、マネーのランプはどのようなサービスなのでしょうか。

齊藤氏:一言でいうと、さまざまな企業が金融サービスを始められるように支援するサービスです。提携先のアプリやウェブサービスに融資機能を組み込む、エンベデッド・ファイナンスという仕組みを提供しています。

従来、お金を借りようと思ったら、まず金融機関を探して、そこで申し込む必要がありました。ただ、利用者にとっては、どの金融機関を選ぶかということ自体が負担になります。日常的に使っているサービスや、なじみのあるブランドを通じて申し込めれば、その負担や心理的なハードルを下げられると考えています。

提携先の企業にとっては、既存のお客様との接点を生かして、新たな金融事業を始められることがメリットです。金融サービスから得られる収益を分け合うことで新たな収益源になりますし、商品を購入する場面で資金面の選択肢を提供できれば、本業の売り上げへの貢献も期待できます。

事業会社のサービスに融資機能を組み込み、収益を提携先と分け合うマネーのランプの仕組み。
事業会社のサービスに融資機能を組み込み、収益を提携先と分け合うマネーのランプの仕組み。

──この事業を構想した背景には、どのような課題意識があったのでしょうか。

齊藤氏:アコムで仕事をするなかで、消費者金融というサービスの受け止められ方を、どうにか変えられないかと考えていました。顧客調査をすると、できる限り申し込みたくないという声があります。業界のなかで知名度や実績があっても、誰もが抵抗なく利用できるサービスにはなっていないという認識がありました。

もちろん、アコムというブランドの価値を高める活動は続けています。それでも、お金を借りることに対する世の中の見方は、簡単には変わりません。そこで、日常的に利用されている企業やサービスと協業し、その中で個人ローンを届ける方法を考えました。

使い慣れたサービスの中に、自然にローンという選択肢がある。そうした状態をつくることで、利用者の心理的なハードルを下げながら、個人ローンというサービス自体の価値や受け止められ方も変えていけるのではないか。それが、この事業を考え始めたきっかけです。

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