一人の試作から、会社の事業へ。フジ・ネクステラ・ラボが実践する、現場発の新規事業開発

  • URLをコピーしました!

第4章 | 質疑応答に考える時間をつくる、「Live-QA」の着想と役割

──「Live-QA」は、どのような課題をきっかけに生まれたサービスなのでしょうか。

玉岩:「Live-QA」は、記者会見や決算説明会、株主総会、社内外の説明会などで、登壇者の回答準備をリアルタイムに支援するサービスです。

「もじセレブ」では、会話が終わった後の文字起こしや議事録作成を支援してきました。その次に考えたのが、会話が進んでいる最中にも、何か支援できることがあるのではないか、ということでした。

質疑応答の場では、登壇者は質問を聞きながら意図を理解し、どこまで話せるかを判断して、言葉を選ばなければなりません。それを数秒から数十秒という短い時間で行っています。十分な知識を持っている方でも、その場で考えるための時間が圧倒的に足りないのが現状です。

質問を最後まで聞いてからAIに入力して回答を待っていては、やはり時間が足りません。そこで、質問者が話している途中から論点を整理し、回答の準備を前倒しできれば、登壇者に考える余裕をつくれるのではないかと考えました。

これは、会見や説明会など、さまざまな質疑応答の場を見てきた経験の積み重ねから生まれた発想です。

──AIと人は、それぞれどのような役割を担うのでしょうか。

玉岩:まず、質問者の発言をリアルタイムに文字起こしし、質問の途中から論点や意図を整理していきます。さらに、事前に用意した想定問答や関連資料を活用して回答候補を提示し、質問が終わる前から登壇者が回答を考え始められる状態をつくります。

大きな説明会などでは、バックヤードで登壇者を支援する担当者もいます。その方々が内容を確認し、必要な情報を選んで登壇者と共有したり、指示を出したりできるようにしています。AIによる支援に加えて、周囲の担当者もリアルタイムで関われる仕組みです。

質問の途中から論点を整理し、バックヤードと連携して回答準備を前倒しする「Live-QA」(資料提供:フジ・ネクステラ・ラボ)
質問の途中から論点を整理し、バックヤードと連携して回答準備を前倒しする「Live-QA」(資料提供:フジ・ネクステラ・ラボ)

最終的に何を話すかは、登壇者本人が判断します。質問の意図を踏まえて、どこまで説明するか、どのような言葉で伝えるかを決めるのは、その場に立っている人です。「Live-QA」は、その判断を行いやすくするための準備や情報整理を支援します。

実際の質疑応答では、事前に想定していなかった質問も出てきますし、発言の一部分が切り取られて広がることもあります。そうした場面でも、質問者に誠意を持って答え、納得していただけるような説明をすることが大切です。登壇者が落ち着いて考え、自分の言葉で回答できるように支えていきたいと考えています。

1 2 3 4 5 6
フジ・ネクステラ・ラボのインタビュー記事のアイキャッチ画像

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!