なぜHondaは、新規事業を“社内に閉じない”のか。IGNITIONに学ぶ、個人の熱量を事業に変える制度設計
第5章|事業開発のノウハウを社内へ。研修プログラムIGNITION Studio
――IGNITIONへの挑戦を後押しするために、その前段階となる研修プログラムIGNITION Studioも設けているとのことですが、どのような課題認識から始まったのでしょうか。
程塚 氏:IGNITIONには、スタートアップとして社外に出る出口があります。投資家から出資を獲得するところから逆算すると、エントリーの時点でもハードルが高い。その助走として立ち上げたのがIGNITION Studioです。
対象は、IGNITIONエントリー前の方だけではありません。社内で新規事業を検討しているメンバーや、新しい研究開発テーマを立ち上げようとしているメンバーも対象です。IGNITIONの伴走を通じて蓄積してきた事業開発の観点やノウハウを、広く社内へ還元するための研修プログラムでもあります。
――具体的には、どのように学ぶのでしょうか。
程塚 氏:その年のコンセプトによって変わりますが、Hondaからカーブアウトした先輩スタートアップに登壇してもらうこともありますし、IGNITIONで築いたネットワークを通じて社外の起業家に来ていただくこともあります。「本物の熱や現場感に触れてる」ということも、一つ大切にしています。
――どのような効果を感じていますか。
程塚 氏:IGNITIONの一次審査を通過した人を見ると、そのほとんどが事前にStudioで学び、個別相談も活用しています。
Hondaの技術者は、「技術リスクを下げる」ことは得意です。一方で、「マーケットリスクをどう下げるのか」「事業をどう設計するのか」「収支計画をどう考えるのか」といった、事業全体を考えることはまた別です。
Studioを参考にしながら自分で進める方もいますし、それだけでは難しい場合には、「IGNITIONドメインにサポートしてもらえませんか」と相談が来ることもあります。
