新規事業プログラムの「3年目の壁」をどう越えたか。リコーTRIBUSに学ぶ、進化し続ける運営のつくり方
第4章|カタリストという触媒が共創を前に進めた
通行手形が生む、越境と協業のリアル

堀井:
スタートアップ企業などの社外応募についても伺わせてください。
TRIBUSでは、スタートアップとリコーグループの連携を支援する専任担当者としてカタリストという役割があるのが印象的でした。
この制度はいつ頃から始まったのでしょうか。
森久:
カタリストは、スタートアップとリコーグループの事業部門の間に入り、共創を前に進める役割です。
両者の間に立ってコミュニケーションを調整しながら、協業が進むようにサポートします。
スタートアップ共創は、事業部門とスタートアップがいわばお見合いをするだけでは、なかなかうまくいきません。
文化も価値観も期待値も違うので、その間をつなぐ存在が必要になります。
そこで、両者の間に入り化学反応を促す触媒の役割として、カタリストという仕組みを設けました。
制度自体は最初から構想にあり、2019年に公募で立ち上げています。
堀井:
カタリストも社内公募なんですね。
森久:
はい。20%の工数で手を挙げてもらっています。
最初は、カタリストとは何をする役割なのかという状態でした。
ただ、実際に活動する人が増えるにつれて、先輩カタリストの姿が見えるようになり、2020年以降は応募も増えてきました。
今では累計で100名以上が参加しています。
堀井:
先ほどお話に出ていた通行手形という言葉がすごく印象に残っています。
森久:
カタリスト活動は、社員にとっても大きな価値があります。
若手にとっては、越境コミュニケーションを通じて会社を俯瞰して見る機会になります。
中堅は、スタートアップとの共創で得た知見を自部署の連携に生かすことができます。
ベテランにとっては、セカンドキャリアの腕試しとして、スタートアップという異文化のなかで自分の価値を試す機会にもなります。
そして何より、部署間の壁を越える通行手形のような存在になります。
これはリコー本体だけでなく、グループ会社の社員にも大きく効いていると感じています。
