新規事業プログラムの「3年目の壁」をどう越えたか。リコーTRIBUSに学ぶ、進化し続ける運営のつくり方
第3章|7期の運営を通じて、TRIBUSの支援内容はどう進化したのか
Will起点から、市場規模×顧客検証を早期に見る型へ
堀井:
支援の中身自体も、7期の運営のなかで変わってきているんですよね。
森久:
そうですね。
TRIBUSでは毎年、運営や支援内容を小刻みにアップデートしています。
初期のころは、個人のWillを起点にして、思いや問題意識を事業につなげていくところを特に重視していました。
まずは社員が持っているアイデアや課題意識を形にしていくことが大事だと考えていたからです。
ただ、運営を重ねるなかで、Willだけでは事業として成長しづらいケースも見えてきました。
そこで最近は、Willに加えて市場規模や事業の伸びしろを早い段階から見るように変わってきています。
堀井:
なぜその変化が必要だったのでしょうか。
森久:
強いWillがあって課題も明確でも、領域によっては市場規模が限られている場合があります。
ある程度進んでからビジネスとしてのスケールが小さいと分かると、すでにプロダクトも作り始めていますし、気持ちも入っているのでピボットが難しくなってしまいます。
社内新規事業は会社として投資をしていく取り組みでもあるので、ある程度の規模や成長性が見込める領域を狙う必要があります。
そのため、最近は市場性を早期から見ていくスタイルに変わってきました。
堀井:
ただ、机上で市場規模だけを見るわけではないんですね。
森久:
はい。そこは最初から変わっていません。
市場規模を見る一方で、必ず現場で顧客の声を聞くことを重視しています。
市場性と顧客検証をセットで進める。
このスタンスは、TRIBUSの支援の中でも一貫している部分だと思います。
堀井:
社内公募のプロセスとしては、勉強会から始まり、その後事業アイデアの検証と育成という流れがありますよね。
森久:
はい。応募段階から、企画経験がない社員も多いため、顧客インタビューの基本や仮説検証の進め方など、事業検証のリテラシーを上げるための勉強会を実施しています。
ただ教育だけでは前に進まないので、一次審査通過後はメンタリングを中心にして、実際に検証を進めてもらいます。
その過程で一定の予算も渡しながら、段階的に金額を上げていき、事業案をブラッシュアップしていく流れになっています。
こうした支援の進化もあり、TRIBUSでは応募数の変化にも向き合い続けてきました。
