新規事業は、ブルーオーシャンすぎても難しい。サニックスが挑んだ市場開拓のリアル
第4章 | 新規事業最大の壁は、組織を動かすことだった
── 市場の難しさが見えてきたなかで、社内での販売体制づくりはいかがでしたか。
千葉氏:ここも大きな壁でした。
プロダクトを開発すれば自然と売れると思っていたわけではありませんが、想像以上に組織を動かすことは難しかったですね。
営業担当者にとって、一元くんはこれまで扱ったことのない商材です。廃棄物処理サービスとは提案の仕方も異なりますし、お客様へ価値を伝えるためには、法令や業務フローへの理解も必要になります。
だからこそ、「商品ができたので売ってください」では、組織は動きませんでした。
── どのように販売体制を構築していったのでしょうか。
千葉氏:最初から全社へ一斉に展開することは考えていませんでした。
まずは新しいことに前向きな工場長へ協力をお願いし、その工場をモデルケースにしました。実際に成果が出ると、他の工場からも「自分たちも取り組みたい」という声が上がるようになりました。
いわゆるイノベーター理論に近い考え方です。最初から全員を動かそうとするのではなく、共感してくれる人から少しずつ広げていきました。
── 営業担当者への支援も行われたのでしょうか。
千葉氏:もちろんです。
営業担当者だけに任せるのではなく、私自身も商談へ同行しました。実際の提案を見てもらいながら、お客様へどのように価値を伝えるのかを一緒に考えていきました。
また、一元くんを推進する専任組織も立ち上げました。現場からの相談に対応し、営業活動を支援する体制を整えたことで、少しずつ販売の仕組みができあがっていきました。
── 新規事業を進めるうえで、あらためて感じたことはありますか。
千葉氏:新規事業は、プロダクトを完成させることがゴールではありません。
本当に難しいのは、その価値を社内で理解してもらい、事業として継続的に動かしていくことです。
組織が動かなければ、どれだけ良いプロダクトでもお客様には届きません。
新規事業を前に進めるためには、市場だけでなく、社内にも仲間を増やしていくことが欠かせないと実感しました。
